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日々の独り言。
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何だかふわっと降ってきたのでさらっと書いてみました。
経緯が分からないくらいのふわっぷりでした。

第四次聖杯戦争の最後に起こった火災の中でふらふら士郎君が歩いてたらアイリさんの死骸を見つけた話。

…何ですかねコレは。多分黒士郎君の話の冒頭の辺りの別バージョンに当たるのです。…きっと。
しかし/Zero見直さずに書いたので、すごく色々と間違っている気がしないでもないです。…アイリさんってどう死んだっけ…。そこしっかり確認してから書けよ……。


立ち止まってしまったのは、その赤と黒しかない世界の中に、一片の白色を見つけたら。

燃える家崩れる家
焼けた人潰れた人

見渡す限りどこにもまともな形をしたモノが無い。
放り込まれた熱い空気の出口を探して彷徨い歩く。その最中、視界の端に入った白に惹かれるように歩み寄った。
立ち止まったのは、それが生きていないと知れたから。
生きているのは怖い。たすけてと呻いてこの子だけでも連れて行ってと嘆いて出してと喘いで誰かと泣いて
その声を全部聞かないようにして、1人きり、振り切るように出口を探して歩いていた。生きているのは怖い。自分には、何も出来ないから。
だからその生きていないモノに近付くのは平気だった。

その白色は、腕だった。
灰色の空に向かって伸ばされた腕。手は白く、ただ白く。血と煤の汚れすらその白を際立たせるかのようだった。まるで作り物の様なキレイな形で、腕はそこにあった。
白い手、指。マネキンにしては精巧すぎる、人にしては異質すぎる、そんな美しさで、瓦礫の中からその腕は生えていた。
腕の先を視線で辿る。そうして肩、首を経由して顔に辿り着く。美しい、女性だった。
どうしてか業火の中で尚その髪は白く、焼けることなく撒き散らかされていた。汚れていても、元の美しさが容易に想像できる。銀のような白。
顔も腕同様に白く。けれどその中心の、見開かれた眼だけは、業火を移したように、血で染め抜いたかのように真っ赤だった。揺れる炎を移してきらきらと光っているかのような目。
彼女が事切れているのは一目で知れた。何せ瓦礫から覗いているのはその腕と頭だけ。身体は山のような瓦礫の下敷きだ。助かっているわけが無い。

大きな音がした。
火災でまた、柱が焼け落ちたのか瓦礫が僅かに鳴動する。傾ぐ腕。
ゆらりとこちらに差し出されるように、手が頬に触れた。
炎に炙られていたせいか、生きているように暖かい手。
熱気に煮込まれたせいか、生きているように柔らかい手。
すうと頬を伝った手が、指先に乗せた赤色で軌跡を残す。そして落ちた。

死んでいるのはもう知っている。
もうその白も端から段々赤と黒に侵され始めていた。あぁ、早く此処から出ないと、自分もこんなふうになってしまう。
僅かに止めていた足を踏み出して、出口を探すためまた歩き出す。どちらから来たのかもあっという間に分からなくなっていて、もしかしたら来た道を戻っているのかも知れない方向へと歩き出す。
炎に炙られる世界。揺らぐ大気が全てのモノをゆらゆらと歪ませる。
一度だけ振り返ったとき、彼女の唇が動いたように見えたのは、きっとそんな炎の気まぐれの産物だ。

―あの人を、お願いね

聞こえるはずの無い声は木の爆ぜる音に掻き消されて耳には届かなかった。




***********

…何というか。
焼けにくいホムンクルスと未来視持ちなアイリさん。という不思議設定を追加して読むとほんのり何かが分かるんじゃないかなぁと。思う。よ?

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