日々の独り言。
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ハガレンステイナイト 一回休み
…えへ。
何か目的地まで間に合いませんでした。
ので。
取り合えず一発書きしたネタを置いておきます。
ちょっと前に日記で書いた黒弓黒士の眼球抉っちゃうネタ。お題は「眼球抉り」。…グロ? 苦手な方はスルーしてくださいな。
…えへ。
何か目的地まで間に合いませんでした。
ので。
取り合えず一発書きしたネタを置いておきます。
ちょっと前に日記で書いた黒弓黒士の眼球抉っちゃうネタ。お題は「眼球抉り」。…グロ? 苦手な方はスルーしてくださいな。
びいどろとーく
心音のように響く重低音。
胎動のように揺らぐ空気。
大聖杯の頂きに少年が一人。斑の黒を長いコートのように纏い、兎のように赤い眼を茫と虚ろに向けていた。
ぽつんと寂しげな様相で大聖杯の淵に腰掛け、時折弄ぶように脚を揺らす。どこか迷子を思わせる彼、士郎こそがこの場所に君臨する主だった。
「アーチャー」
ぽつりと士郎が漏らした言葉に、音も無く背後に人影が現れた。影から浮かび上がったような闇に溶ける暗い色の赤い外套の男。大聖杯から仄かに灯る明かりにようやく輪郭が浮かび上がった。
声も無く、静かに傍らにかしずくアーチャー。それに顔も向けず士郎が独り言のように語りかける。
いつものどろりと/とろりとした笑みは無く、凪いだような無表情を顔に貼り付けていた。頬にはひび割れのような赤い文様。
「何処行ってたんだ」
士郎には、叶えたい夢があった。ソレはとても壮大で、自分一人では信じ続ける事が難しかった。
だからもう一人。差異も無く誤差も無く、全くの同一を夢見る彼を隣に従えた。
その彼、アーチャーが先刻まで士郎の膝元を離れていたのだ。自身の夢の僅かな揺らぎにも耐えられない士郎は片時もアーチャーを手放したくはなかった。
「付近の偵察に。この辺りには誰も居なかった」
そんな士郎の気持ちを知っていて尚、アーチャーは平然とその傍を離れた。アーチャーにしてみれば、偵察は士郎を守るための行為でそれが彼の責務だと思ってのことで何の他意も無い。
けれど士郎にはそんなことも耐え難かった。
「俺、アーチャーはずっと此処にいろって言ったよな」
「そうだな。だが、何時誰がここを訪れるか分からん―」
「遠坂達にはもう逃げろって言った! 誰も此処には来ないし、来てないことなんか分かる! 俺はお前に此処にいろって言ったんだ!!」
吠え噛み付くようにアーチャーの胸ぐらを掴み上げる。ようやくアーチャーを向いた士郎は殺意じみた独占欲を瞳に満たして睨む。
実際この洞穴の中からその入り口付近に至るまで、士郎の影が常に目を光らせている。アーチャーの偵察など本来無用のハズだ。
「お前は此処で、俺だけ見てれば良いんだよ! 俺以外見てんじゃねぇ!」
「だが、お前にセイバーが殺せるか?」
常と変わらない声音の問いに士郎の言葉が止まる。
士郎はセイバーを聖杯の中に取り込まなければならない。その為にセイバーを殺す。けれど、士郎のみの力ではそれは容易ではない。だからアーチャーがいる。
つまりアーチャーは遠回しに「セイバーは私が殺してやるから少しの自由は認めろ」と言っているのだ。
「―、分かった。じゃあ、こっちだ」
不快げに、けれど冷静さを取り戻した士郎の手が、す、と水平に持ち上げられる。アーチャーの目の高さまで。
そうして左目のほんの少し前でぴたりと止められた。アーチャーは瞬きもしない。
「こっちの目。こっちの目は、俺以外見たら駄目だ。だから、こっちの目は俺が貰う」
「…あぁ」
短い了承にゆっくりと士郎の指先がアーチャーの目に触れた。
乾いた指先が角膜をなぞり、そのまま滑るように目蓋を押し上げる。ぐ、と力を込める。隙間も無い目蓋と眼球の間に指を押し込み、代わりに押し出されるように眼球が前に迫り出す。抵抗するように溢れる涙に赤い筋がいくつも混じり指先を滑らした。構わず更に指先をねじ込めば眼窩から押し出された眼球が重力に引かれるように落ちかけるが、それを繋ぎ止めたのは眼球の奥から未だ眼窩の奥に繋がる視神経だった。それを無理矢理に引きちぎるような真似はせず、手にした剣で丁寧に切断する。
そうして士郎の手に、赤に塗れた金の光を点した眼球がころりと収まった。
「…ふふ、ふふふ」
眼球を大切そうに手の平で弄び、その表面を覆う赤を穢れを拭うように舐め取る。愛おしそうに口付けて、指先につまみ上げて光にかざすように眺めた。
アーチャーは眉をしかめて虚ろになった眼窩にそうっと触れる。閉じた目蓋の奥は空っぽ。目蓋が妙にぺらぺらとして居心地が悪い。
それに気付き、士郎がアーチャーを引き寄せた。すっかり機嫌が直ったのか、嬉しそうにアーチャーの頬を濡らす血を美味そうに舐める。
「マスター、コレを少々くれないか?」
士郎の黒いコートの裾を手繰りアーチャーが問う。血の味に酔ったのか、とろりと目を潤ませていいよと応えた。
斑の黒をちぎり、帯状のそれで抉られた方の目を眼帯のようにして覆った。
「こちらの目はマスターの物だ。もう、誰も見ないように塞がなくてはな」
「うん。アーチャーは良い子だな、ふふふ」
とろりと幸せそうな笑みを浮かべてアーチャーの胸にすり寄る。白い髪を梳いてやれば気持ちよさそうに眼を細める。
暗い閨での睦言のような甘い空気には血の匂いと手の平に眼球一つ。
閉じきった空間に二人きり。終末を夢見て描いている。
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タイトルは ピロートーク→ビロードトーク→びいどろとーく という謎の変化より。ピローロークって言うのが何か恥ずかしかったらしいけど、何だビロードって。絹か。びいどろはガラス玉だっけ? てきとー…。
つい脳内映像が弓士だけど、黒聖杯な士郎君なので白髪赤目ですよ。弓さんも目は金色ですよ。…色を変えると表現上に違和感がすごい出ますね。
ていうか眼球抉るところに力が入りすぎました。楽しかったの。
次はまた弓さんが士郎君の小指食い千切る話書きたい。…嫌な嗜好。
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